ババとかスワミとか、ちょっとカレー味の濃いグルが続いたので、今回のグルグルメは、日本に生まれたヒッピーの元祖、本家フーテン、日本のニューエイジの草分け、ナナヲ・サカキに登場してもらいましょう。
19才の夏、高校をドロップアウトして、野宿とヒッチハイクで旅をしていたぼくは、「部族」という名の本物のヒッピーの集団が、南の島にコミューンを作って、共同生活をしている、という噂を聞きつけました。さっそくぼくは、道ばたでオカリナを吹いて小銭を作り、玄米や味噌などの貢ぎ物を背負って、鹿児島の南にあるスワノセ島にむかったのです。
その島で開墾、魚釣り、自給自足、瞑想、マントラ、ダンス、の生活をしている「夢のガジュマル族」と名乗るヒッピーたちが、あまりにも輝き、クリエイティブでかっこいいので、ぼくはブッ飛んでしまいました。
特に長老格の自由詩人、ナナヲは、ぼくの夢想していたヒッピーのすべてを体現していました。ぼくは彼のそばにいるだけで、自分の中に愉快なエネルギーが湧いてきて、自分が清らかになっていくような錯覚を楽しみました。まだ若かったぼくは、50才になったら、お金も家も家族も地位も持っていなくていい、ナナヲみたいな輝きを持つ人間になっていたいと、真剣に思いました。
それからナナヲとは、旅の先々で出会い、グルというよりも自由な魂の先輩として、今生きている喜びをわかちあったものです。一度は真冬の長野の山奥で、冬至を祝うためのナナヲ作の現代能の主役の狩人までやったこともあります。
ぼく以上に世界の山々や砂漠や平原を歩いているナナヲは、今、地球のどこを歩いているのでしょうか?ナナヲに最後に会ったのが10年前のボルダーです。
ナナヲがボールダーにあるニューエイジの大学院、ナロパ学院の詩の朗読会でゲストとして招かれたのです。アメリカ人の間でのナナヲの人気は、教祖的なものがありました。両親以外にぼくが一番影響を受けたのは誰?と聞かれたら、今でも迷わず、ナナヲの名前をあげています。
いくつかの、ナナヲの詩です。
「これで十分」
足に土、 手に斧、 目に花、 耳に鳥、 鼻に茸、
口にほほえみ、 胸に歌、 肌に汗、 心に風
「いつも泥足」
いやなこと聞いたら、耳洗え、 汚いもの見たら、目を洗え、いやしい思い湧いたら、心洗え、 だがいつも、泥足そのまま
「ヴァレンタインズディ」 自分を気にせず 個性を売らず 優雅をてらわず 謎めくこともない だから 好きさ 君が
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