世界中のニューエイジャーから愛されるグル、ラム・ダスが先週でしたので、今週はそのラム・ダスのインドでの先生、ババ・ハリダスの登場です。
ちょうど20年前の6月にぼくはアメリカに来ました。そして着いてすぐに行った場所が、カリフォルニアのマドンナ山にある、ババ・ハリダスのアシュラムでした。ラム・ダスの本、「ビーヒアナウ」に載っていた、ロン毛を床までつくほどにのばしっぱなしのこのヨギに憧れていたのです。
アメリカに着きたてで、何を見ても感激しっぱなしのぼくは、そのアシュラムでババ・ハリダスじきじきに、ヨガの先生になるための集中トレーニングを受けたのです。
朝は夜明け前の5時から瞑そう、そしてハタヨガ、プラナーヤマ(呼吸法)、バジャン(お祈りの歌)、アユルヴェーダ(癒し)と、思わず悟ってしまうほどのスケジュールを、感動まみれで体験しました。
ババ・ハリダスは、もう30年以上もモウナ(沈黙)の行を続けていて、一言もしゃべりません。沈黙の中でこそ、たくさんの目に見えないエネルギーが伝わるそうです。ババジは、おしゃべりのかわりに、10センチ四方の黒板を肩からぶら下げていて、質問があると、それに簡単な答をチョークで書いて弟子たちに見せます。ですから、答えは思いっきり簡潔でなくては、小さな黒板におさまりきれないのです。
ババジの黒板に書かれた言葉がまとめられて、「イエローブック」というミニ文庫になっています。その中でぼくの一番気に入っている言葉は、「私はあなたのために料理はできますが、あなたのために食べることはできません」です。
精神世界のグルたちは、生徒の魂の成長をうながすために献身的に働きかけるけれど、実際にその魂の喜びを味わえるのは、生徒自身なんですよ、という意味でしょう。
アシュラムでの2週間の修行が終わる頃には、ぼくは一段とハイになり、吸っている空気そのものが、なんて美味しいんだろう!と感じられるくらいでした。
集中トレーニングの最終日、ババジと向き合ったとき、ババジはなにを考えたのかチョークと黒板をとりだし、しゃかしゃかと書いて、ぼくに見せてくれました。それには、「 You are smart 」と、書かれていました。
それがぼくにとってなにを意味しているのか、未だに結論は出せていませんが、ババジからの愛の言葉の贈り物として、ハートの奧に、今も大事にしまっています。その言葉を聞いて、ぼくは、「アメリカってなんてすばらしいんだろう!」と思い、この国に永住する決心をしたのです。
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