
先週は日本の健康グル、寺山心一翁先生でした。寺山先生といえば、この世の 天国「フィンドホーン」を日本に紹介した立役者
としても有名です。そこで、今 回はその「フィンドホーン」のグル、アイリーン・キャディーの登場です。昨年、ボルダーの僕の家に、あるダイレクトメールが届きました。封筒の裏に
は、「生き、そして働きなさい。しかし、遊ぶことも忘れないでください。人生 に楽しみを見つけ、それを心から楽しんでください」というアイリーン・キャデ
ィーの言葉が書いてありました。僕はそれがどこかのニューエイジ・グループの 宣伝かと最初は思ったのですが、よく見るとそのDMは不動産屋からのでした。不動産屋がこんなDMをよこすからには、これは宇宙からのメッセージ!、と
早合点した僕は、さっそく昨年の夏、イギリスのスコットランドに飛びました。
匂いたつような花々の咲き乱れるフィンドホーンは、噂に違わず、すばらしい 共同体でした。自然と調和した家々、あらゆるスピリチュアルな伝統がまじった
生活様式、物質を否定せず精神を 磨くというフィンドホーンの基本理念が、村全 体にいきいきと息づいているのを、ただちに感じることができました。夜は日本にも毎年来ているバーバラのリードする歌と踊りのミニ・ワークショ
ップに参加しました。ユニバーサルホールという名の大きな木造のホールで、百 数十人と一緒に、テーゼと呼ばれる歌を歌いながら、セイクリッド・ダンス(聖
なる踊り)を踊りました。ハートがゆっくりと開いていって、人と人との愛のエネルギーを自然に感じられるような、心温まる体験でした。僕はフィンドホーンの創始者のアイリーン・キャディーの大ファンでしたから、
ぜひとも彼女に会いたい、と願っていました。しかし、アイリーンはすでに公職 から身を引いているため、会見することは無理だということでした。スコットランドを発つ日の早朝、フィンドホーンの中にあるサンクチュアリと
名付けられた瞑想室に行きました。少し遅れたからか、朝の瞑想はもう始まって いて、部屋の中は満員でした。幸 い入口の下駄箱の横の席が一つ空いていたので
そこに座りました。背筋を伸ばしあごを引き、両手をひざの上にのせて、瞑想の体勢に入りました。「さあ、フィンドホーンで瞑想するぞ!」とはりきっていた
ので、すぐ隣りに座っていたおばあちゃんが瞑想中、うとうとと前にのめりなが ら船をこいでいるのが気になりました。僕は「おばあちゃん、瞑想中は居眠りし
ないで、ちゃんと背筋を伸ばして!」なんて小声で注意をしようかしまいか迷いました。そしてもう一度とっくりと彼女を見てみると、なんとそのおばあちゃん
があのアイリーン・キャディーだということに気がついたのです。アイリーンほどの精神世界のスーパースターが、なんの権力も持たず、ただ普
通のおばあちゃんとして暮らしているこのフィンドホーンが、ますます気に入っ てしまいました。(メールマガジン・Weekly φ[fai]
99/04/01)